今回の危機はナフサ不足でなくトルエン不足
今回の危機はナフサ不足でなくトルエン不足
- 実際に深刻なのはナフサ全体ではなく、塗料・接着剤・断熱材などに使われるトルエン不足。
- ナフサ由来の6大製品(エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン)のうち、特にトルエンが不足している。
- ホルムズ海峡問題で日本の石油供給が大打撃
- 日本の石油輸入の約75%がホルムズ海峡経由。
- 封鎖により輸入が激減し、現在は国家備蓄を取り崩して対応している。
- 今後の電気代上昇はほぼ確実
- 原油価格上昇の影響は3か月程度遅れて電気料金に反映される。
- 夏場の電気料金上昇が予想される。
- トルエン不足の原因は「買いだめ」構造
- トルエンは塗装業者や建設業者など多数の中小事業者が利用。
- 「将来足りなくなるかも」という不安から在庫確保が連鎖し、需給がひっ迫した。
- ガソリン補助金がナフサ不足を悪化させる側面
- 補助金でガソリン需要が維持される。
- 石油会社は利益の出やすいガソリン生産を優先。
- 結果としてナフサ向け原料が減り、トルエン不足を助長する可能性がある。
- 医療分野への影響も懸念
- 点滴、注射器、使い捨て医療用品などは石油化学製品。
- 東南アジアでの生産停止や物流混乱が起きると供給不安が生じる。
- ただし手袋は日本が大量備蓄しているため比較的安心。
- 中国の石油化学産業が圧倒的規模に成長
- 中国は巨大プラントを次々建設。
- 日本の設備能力の約15倍規模とも説明。
- アジア全域で中国製品が市場を席巻しつつある。
- 日本の石油化学産業は戦争前から苦境
- 中国の過剰供給で稼働率が低迷。
- 多くの企業が採算割れ水準で操業。
- 今回の危機でさらに経営環境が悪化している。
- 石油化学製品の国際競争は実質的に中国・米国・中東が主導
- 日本や韓国の競争力は急速に低下。
- 国際市場で勝負するのは非常に厳しい状況。
- 今後の選択肢は2つ
- 石油の調達先を多様化する。
- あるいは石油依存そのものを減らす。
- 専門家の提言
- ペットボトル削減、水筒利用、使い捨てプラスチック削減などで石油消費を減らす。
- EVや電動化インフラを整備し、ガソリン依存を下げる。
- 「安いエネルギーが永遠に手に入る」という前提を見直すべき。