是川銀蔵氏(是銀)の「亀の三原則」とは、
第1に 銘柄はまだ世間に注目されていない水面に あるものを選ぶこと。
第2に経済と相場の 動きから常に目を離さず自分自身で勉強 すること。
第3に過大な思惑を抱かず 手持ちの資金の範囲内で勝負すること(レバレエッジはだめ)
是川銀蔵氏(是銀)の「亀の三原則」は、相場の狂騒に惑わされず、個人投資家が生き残るための本質を突いた極めて実践的な投資哲学です。
亀の3つの原則について、現代の投資環境にも通じる視点で論評します。
第1原則:「銘柄はまだ世間に注目されていない水面にあるものを選ぶこと」
【論評:割安放置株(バリュー投資)と市場心理の先回り】
- 本質: 株式市場で話題になり、誰もが買っている流行の株(高値のグロース株やテーマ株)には手を出さず、業績や資産価値に対して不当に安く放置されている「不人気株(バリュー株)」を静かに仕込む姿勢です。
- 強み: 高値掴みのリスクを徹底的に避けられます。下値リスクが限定的であるため、仮に相場全体が崩れても致命傷を負いにくいのが最大の特徴です。
- 難点(カメたる所以): 世間の注目が集まるまで「数か月〜数年」という長い忍耐が必要です。現代のAI取引やSNSによる短期トレンド全盛の時代においては、資金効率が落ちる「バリュー株トラップ(安放置のまま上昇しない状態)」に陥るリスクもあります。
第2原則:「経済と相場の動きから常に目を離さず自分自身で勉強すること」
【論評:主体的なマクロ分析と自己責任の徹底】
- 本質: 他人の推奨(インフルエンサー、アナリスト、噂話)を鵜呑みにせず、金利、為替、商品価格、国際情勢といったマクロ経済の動向を自らの目で観察・分析する重要性を説いています。
- 強み: 自分で納得して根拠を持って買った銘柄は、途中で株価が乱高下しても動揺せずに持ち続けることができます。是銀氏自身も過酷な新聞読破とデータ収集によって住友金属鉱山などの大化け株を言い当てました。
- 現代における意義: 情報が溢れ返る現代こそ、「SNSの買い推奨」を鵜呑みにする投資家が急増しています。情報過多の時代だからこそ、一次データに当たり自ら考える姿勢は勝ち残るための絶対条件と言えます。
第3原則:「過大な思惑を抱かず手持ちの資金の範囲内で勝負すること(レバレッジだめ)」
【論評:リスク管理(生き残りのための命綱)】
- 本質: 信用取引や先物などによるレバレッジ(借り入れによる投資)を徹底的に排除し、現物資産の範囲内で運用すること、および「一攫千金を狙いすぎない(腹八分目)」ことを求めています。
- 強み: 現物取引であれば、どれほど市場が暴落しようと追証(追加担保)が発生せず、強制決済されることもありません。「相場に居座り続ける(退場しない)」ことこそが、次のチャンスを掴む唯一の道です。
- 歴史的背景: 是銀氏自身、過去にレバレッジや過大な勝負によって大成功と破産寸前の大暴落の両方を経験しています。身をもって学んだ「市場の急変で一瞬にして無一文になる恐怖」から生まれた、最も重い訓戒です。
総合評価
カメの三原則は、「不人気な時に仕込み(第1原則)、自分で経済を学び尽くして根拠を持ち(第2原則)、絶対に退場しないリスク管理を徹底する(第3原則)」 という、極めて堅牢な勝ちパターンで完結しています。
一見すると地味で退屈に見える手法ですが、「市場で生き残った者だけが最終的な勝者になる」という株式投資の本質を捉えており、新NISAや個人の資産形成が一般化した現代においても、色あせない金言です。
公益財団法人是川奨学財団の設立。
交通事故で親を失った子供 たちなど経済的に苦しい環境にある若者を 支援するためでした。相場で稼いだ金は 使えば消えます。しかし人を育てるために 使われた金はその人の人生の中に残り続けます。素晴らしいですね。


