バフェットの投資哲学 第二弾
- バフェットは自分の投資人生の中で、
「世の中にお金が溢れすぎて、まともな投資ができない」と感じた時期が何度もあったという。 - 1969年には、相場が加熱しすぎて合理的な投資が難しいと判断し、パートナーシップを解消した。
しかしわずか4年後には、人生で最も大きな投資チャンスが訪れた。 - 1998年、LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の危機の際には、
投資家たちは恐怖で動けなくなり、極めて稀なアービトラージ(裁定取引)の機会が生まれた。
→ 例:米国債(満期がほぼ同じ)の利回り差が30ベーシスポイントも開くという異常事態。 - 2002年には、ハイイールド債(ジャンク債)が年利25〜70%で買えたが、
1年後には6%利回りで売却できるほど市場が回復した。
→ こうした「恐怖から強欲への反転期」が最大の儲け時になる。 - この期間にバフェットらは約70億ドルのジャンク債を購入し、大きな利益を得た。
- しかし現在は、すべての資産クラスが歴史的に高い水準にあり、
「まともな価格で買えるビジネスがほとんどない」と述べている。 - プライベート・エクイティ(PE)ファンドや機関投資家は、
「手数料のために」高値でも買い続ける傾向が強い。
→ 自分の金ではなく他人の金を運用しているため、価格を合理化してしまう。 - 一方で、ハワード・マークスのように「良い機会がなくなったら顧客の資金を返す」
といった倫理的な投資家もいるが、それは例外的だ。 - バフェットとマンガーは「自分たちの資産で勝負している」ため、
損失も自分で負う。
→ 「手数料目当てのファンド」とは根本的に異なる姿勢。 - 現在の市場は「競争が激しく、報われにくい」状況であり、
最近他社が行った取引の中で「うちもやりたかった」と思うものは1つもないという。 - 今の世界は15〜20年前とはまったく違い、
本当の割安資産(バーゲン)はほとんど存在しない。 - 最後に、バフェットは「雨の中で列に並ぶマイケル・アイズナー」の話をユーモラスに語り、
「辛抱強く待つこと」も投資家の重要な資質であると示唆した。
💡 教訓(バフェットのメッセージ)
- 市場が過熱しているときは行動を控えよ。
- 恐怖が広がったときこそ最大のチャンス。
- 手数料でなく成果で報われる投資をせよ。
- 自分の資産でリスクを取れ。
- 忍耐と冷静さが長期的な成功を生む