宝永の富士山噴火(1707年)の概要と今後の対策
◆ 発生時期:
- 1707年(宝永4年)12月16日
◆ 噴火の特徴:
- 富士山の**側火山「宝永火口」**から噴火
- 溶岩は出なかったが、大量の火山灰を東側に降らせた
◆ 江戸の被害:
- 江戸(現在の東京)では、4cm〜10cmほどの火山灰が積もった
- 火山灰により昼間でも暗くなり、視界が悪化
- 飲み水・井戸が火山灰で汚染
- 作物への影響、建物の崩壊、屋根の重みでの倒壊など発生
- 灰が降った後の風で再び巻き上がり、呼吸器系への悪影響も
【現代に同様の噴火が起きた場合(想定)】
◆ 火山噴火予測(中央防災会議などの報告に基づく):
- 宝永と同規模の噴火が起こると、東京都心にも10cm以上の火山灰が降る可能性
- 風向きにより、神奈川・東京・千葉・埼玉など広範囲に火山灰が拡散
【東京圏への具体的影響】
1. 交通機関への影響:
- 新幹線や電車:運行停止
- 飛行機:視界不良とエンジンへの火山灰混入で欠航続出
- 道路:灰が積もるとスリップや視界不良で通行困難
2. ライフラインへの影響:
- 電気・ガス:灰が変電所や発電設備に影響
- 水道:取水口の灰混入による断水の恐れ
- 通信:携帯基地局や光ファイバー網に影響あり
3. 健康への影響:
- 火山灰は微粒子(PM2.5よりも大きい)で呼吸器を刺激
- アスファルト上に積もった灰が乾燥し、風で舞い上がり続ける
- 喘息や気管支炎のリスク増大
4. 経済的影響:
- 物流ストップによりスーパーやコンビニから食料・水が消える
- オフィス・学校・工場などが機能停止
- 企業活動が麻痺し、数十兆円規模の経済損失が想定される
【避難や対応策】
◆ 基本的に「火山灰の避難」=屋内避難
- 灰による直接の焼失はないため、「距離をとる避難」よりも屋内での待機・遮断が優先
- 外出は防塵マスク・ゴーグル・帽子・長袖必須
◆ 自治体の対応:
- 東京都や神奈川県では、「火山灰降下時の行動マニュアル」作成済
- 灰の除去方法・優先順位・交通制限なども想定
【個人でできる予備の準備】
◆ 家庭に準備すべきもの:
- N95マスクや防塵マスク(火山灰用)
- ゴーグル
- 飲料水(最低3日分、できれば1週間)
- 食品(火を使わず食べられるもの)
- 雨合羽やビニール製のカバー類
- 停電対策(モバイルバッテリー、乾電池、懐中電灯)
- 換気口カバー・テープ(灰が室内に入らないように)
- 空気清浄機(可能ならHEPAフィルター)
【備えのポイント】
- 「地震」とは違い、事前に兆候が現れる(地震活動・地殻変動・火山性微動など)
- 気象庁や各自治体の火山警戒レベルの情報を日頃から確認
- SNSやニュースアプリでの早期情報キャッチを意識