竹中氏がまとめて、大前研一氏が取り上げ、政府が推進してきた「スーパーシティ構想」は、現在**「スーパーシティ型国家戦略特区」**という名称で、2026年現在も社会実装の段階に進んでいます。
単なる「便利な街」ではなく、AIやビッグデータを活用し、行政手続き、移動、医療、支払いなどを一気通貫でデジタル化する「丸ごと未来都市」を目指す取り組みです。
現在の状況と、関わっている自治体・企業・官庁を整理して解説します。
1. 全国で指定されている場所(特区)
現在、国から正式に指定を受けているのは以下の2つの地域です。これらは「全国区」の先導モデルとして、規制緩和を伴う強力な開発が進められています。
| 指定地域 | 特徴・主な取り組み |
| 大阪府・大阪市 | 2025年万博を契機とした「グリーン&デジタル」都市。空飛ぶクルマ、自動運転、パーソナルヘルスレコード(PHR)の活用など。 |
| 茨城県つくば市 | 「科学の街」を活かしたロボティクス・モビリティ。インターネット投票、パーソナルモビリティ、顔認証決済の実装。 |
※この他に「デジタル田園健康特区」として、石川県加賀市、長野県茅野市、岡山県吉備中央町も指定されており、医療・介護に特化したデジタルトランスフォーメーションが進んでいます。
2. 担当官庁と主要企業
この構想は、内閣府が中心となり、複数の省庁と民間企業が連携する「官民連携」の形をとっています。
担当官庁
- 内閣府(地方創生推進事務局): 全体のとりまとめ、国家戦略特区の指定。
- デジタル庁: データ連携基盤(データ連携基盤)の構築支援。
- 総務省・経済産業省・国土交通省: それぞれ通信、産業、都市計画の観点から規制緩和を担当。
参画している主な企業
各自治体は「アーキテクト(設計者)」と呼ばれる企業や専門家と協力しています。
- IT・通信系: NTTグループ、KDDI、ソフトバンク、NEC、富士通、楽天
- インフラ・建設系: 鹿島建設、大成建設、竹中工務店、三菱地所、三井不動産
- モビリティ・エネルギー系: トヨタ自動車(Woven Cityなど関連)、パナソニック、関西電力
- 金融・コンサル系: 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、日本総合研究所、アクセンチュア
注目の動向 (2026年時点)
直近では、大阪市において電算システムなどが参画し、教育分野でのブロックチェーン活用や多文化共生支援など、より具体的な生活サービスの実証実験が拡大しています。
3. 大前研一氏の視点と現状のギャップ
大前研一氏が以前から提唱しているのは、単なる技術導入ではなく**「21世紀の繁栄を支えるプラットフォームとしての都市」**です。
- 大前氏の主張: 国家の規制を完全撤廃し、世界から資本と人材を惹きつける「サイバー国家」のような都市。
- 現実の状況: 現在の日本のスーパーシティは、既存の規制を一つずつ「特例」として外していく積み上げ方式です。大前氏が理想とする「ゼロベースでの都市設計」に比べると、まだ行政主導の枠組みが強く、スピード感やダイナミズムについては課題も指摘されています。


